こんにちは!株式会社タケミ・コンサルティングの竹内と申します。相続や生前対策、事業承継、M&Aなどのご相談を承る「段取り会社」です。なにから手をつけて分からない状況でも、課題を整理し必要なことを洗い出し、段取りを組みます。
司法書士による大きな横領事件がありました。弁護士、司法書士などの士業は一定の試験・・それも難しい試験を通ってその職についていることは多くの人が知っています。そのことが信頼につながるのですが、その信頼を裏切ってしまう横領事件。私は、タケミ・コンサルティングを運営すると同時に現役の司法書士でもあります。そしてこの横領事件を起こした司法書士と同じように成年後見人の仕事もしています。その立場からこの事件を解説したいと思います。
このページの目次
事件の概要
まずは事件の概要を一緒にみていきましょう。週刊現代さんの記事を貼っておきます。https://gendai.media/articles/-/126233?imp=0
東京港区の司法書士さん。「成年後見人」として預貯金の管理をしている方が複数人いたようです。そして1人では何人かの預貯金を横領していた。その額は億はくだらない模様。またこの司法書士さん。司法書士会の港区支部の支部長もつとめていたようです。いわば港区の司法書士のとりまとめ役。そんな人が横領したこともニュースバリューをあげているようです。
不合理な横領。やってしまうのはなぜ?
しかしこういう専門家による横領事件。なぜやっちゃうのでしょうか。この人の場合はギャンブルに使ってしまったようです。もう依存症ですよね。どこかのメジャーリーガーの通訳の真似でもしたかったのでしょうか。またギャンブルなどの遊びに使う以外にも事務所経費に使ってしまった事件もあるようです。ギャンブルなんてどう考えても人のお金を盗んでまでやることではありません。事務所経費も司法書士事務所は運営にそんなに経費がかかりません。別にちっちゃいマンションの一室でできて仕入れらしい仕入れもない。費用立替がきつければ、お客様から先に頂戴するようお願いすればいいだけです。やる必要がない横領をなぜやってしまうのか。そして預貯金の動きは、当然ながら履歴が残ります。不自然な入出金の記録が詳細に残ってしまうのになぜそんなバレやすい犯罪に手を染めるのか。倫理観やモラルの点からのアプローチは当然ですが、損得で考えでも全く合理性がありません。不思議です。
そんな簡単に横領できちゃうのか?
ところで成年後見人は、そんな簡単に横領できちゃうのでしょうか。これがおそろしいことにやろうと思えばできてしまいます。成年後見人は自分が財産を管理することの預貯金の入出金をすることができます。これは普段の支払いや介護施設への入居費用の支払い、また払うだけでなく不動産売却などで入金することもあるためこういう普段の金銭管理に対応するためです。しかし、こういう風に預貯金の入出金ができてしまうからこそ、司法書士という肩書を信頼されて後見人を任されたのだと思います。この信頼を裏切ってしまったのは非常に残念なことです。
詰まるところ横領の根本原因は・・・・
どうしてこういう人に大きな迷惑をかけ、自分だって人生が変わってしまうようなことをしてしまうのか。こういうことをしてしまうのはやはり心の問題も大きいと思います。冷静に考えれば誰にとっても不合理。そういう判断ができないか、できていても止められないほどギャンブルに依存してしまう。私も司法書士ですが、士業は自分の「心の健康管理」も大事な仕事だと思います。真面目はいいですが、どこかでおかしくなって横領する人ぐらいなら、ある程度のペースでもずっと安定した状態で仕事をする人の方がみんなに喜ばれます。無理しすぎず自分の心の状態をしっかりみることも士業の大事な仕事の1つではないかと思います。
株式会社タケミ・コンサルティング 竹内友章