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はじめに
事業承継の1形態でもあるМ&A。経済産業省の「中小M&A推進計画」によると中小M&Aは年間3、4千件行われているとされています。
そして、M&Aの潜在的な譲渡側は60万者、そのうち事業承継型の潜在的な譲渡側は30.6万者と言われています。
なぜ潜在的なニーズに対してこれほどまでに実際に行われているM&Aの件数が少ないのでしょうか。
もしかしたら、創業者の親族や今まで苦楽を共にした役員や従業員への承継に比べ、心理的抵抗がある経営者が多いかも知れません。どの点に抵抗があるか?多くの経営者は「従業員に申し訳ない」という思いになるようです。
会社で働いていた人にとっては、全く知らない人が経営者になる。そしてM&Aの性質上、譲渡する相手を探している時にその事を明かすわけにはいきません。従業員が知りえるのはクロージング前後の時期となり従業員にとってはまさに「寝耳に水」となります。
確かに経営者が抵抗を持つ気持ちも良く分かります。しかし、事業を残せるのであればそれが従業員にとって一番大事なことです。あなたの会社の技術やノウハウ、取引先との関係、会社のブランドや信用、そして何よりも従業員の雇用を守ることができます。
第三者承継(M&A)も次世代の人や御社のお客様のためにとれる大切な選択肢。検討していただきたいと思います。
士業が経営するコンサルティング会社に相談するメリット
当社の代表取締役は司法書士として相続、法人法務、事業承継のご相談を承ってきました。そして、今も現役の司法書士事務所を運営しております。このように士業が運営する会社にM&Aの相談をするメリットについてお伝えします。
① 知識・経験・ネットワーク・心情面での配慮
M&Aはさまざまな分野が交差する複雑な業務。そこには知識が必要なのはもちろんですが、法律だけや税務だけなど「縦割りの知識」だけでは足りません。1つの意思決定に対して、さまざまな切り口から検証する必要があります。
そこで重要なのは士業のネットワーク。税理士事務所や弁護士事務所はたくさんありますが、親身に自分事として考えてくれる事務所となるとその数は限られてきます。
そして、当社の代表は自分も士業としてそうした税理士事務所・弁護士事務所とのネットワークを築いてきました。このネットワークや自身の士業としての過去の経験を生かし、みなさまをサポートします。
そして経験が生きるのは知識やネットワークだけではありません。それは心情面の配慮や調整。相続や事業承継の場面で人がどんな気持ちになるか、これも経験を踏まないと分からないもの。スムーズにM&Aを進めるため、心情面への配慮の視点を持てるにも特徴です。
② 俯瞰した視点からの提案
M&Aなどの論点がたくさん出る業務で気を付けなければならないことがあります。それは常に俯瞰して業務全体を見回すこと。
良く考えてみるとあまり重要でないテーマにこだわって進捗が遅れたり、別の切り口から確認したり考えてみたりする視点を持たないことでスムーズに進まないことがあります。こうしたことのないよう、全体を俯瞰してみる視点が大事です。
士業は1つの会社さんと長くお付き合いすることも多く、その中でその会社が「本当に達成したいこと」に着目する視点が自然に身についていき、この高い視座にたって物事をみていく習慣が自然と身についていきます。
当然、士業の経歴を持つ代表者がいる会社も同じ。俯瞰した視点からみなさまをサポートします。
③ 総合窓口、相談役としての優位性
M&Aや事業承継を達成するには、多くの関係当事者との話し合いが必要なケースが多いです。税理士、司法書士などの士業や創業社長の相続権を持つ人、従業員、M&Aの相手先など。こうした複雑な関係性の中で常に創業社長と併走するパートナーの存在は重要です。
司法書士は事業承継や相続を通じて、長期に渡りお客様と併走する作業をたくさん経験します。この経験を、会社としてのコンサルティング業務にも生かしていきます。
M&Aの注意すべきポイント
親族・従業員や役員への事業承継と比較し、特に注意すべきポイントをご紹介します。
① 秘密保持
社内や取引先の動揺を抑えるため、秘密保持の重要性はより高くなります。もちろん誰にも相談しないわけにはいかないため、コンサル会社などごく限られた人数に限定し、また秘密疑似契約を締結するようにすべきでしょう。
② 準備と事業の磨き上げ
第三者に売却する場合、言葉は非常に悪いですが会社を「商品」としてより磨きをかける必要があります。会社の強みを明確化、言語化する・株主の整理と集約をする・会社の財産と社長個人の財産を切り分けるなど法務・税務どちらの面でもガラス張り化しておくなどの作業が求められます
③ 早めの準備
良い買い手を探す意味でも、準備や事業の磨き上げをする意味でも、しっかり時間をかけられる方がより優位になるケースの方が多いでしょう。やはり事業承継やM&Aの準備は早めにはじめるのに越したことはありません。