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おひとり様の終活の時のテーマの1つ。見守り契約。
「自分が認知症になったり、買い物などの日常生活がまともに出来ない状態になったらどうしよう」
こういう課題は終活を考え始めた方、あるいは終活とまではいかなくとも老後の生活設計についてぼんやりと考え始めた方は必ずと言っていいほどぶつかります。そういう時に選択肢の1つとして考えたいのが見守り契約。非常に地味な内容ですが活用方法を知っておくと意外と便利です。
見守り契約とは?
見守り契約は、文字どおり高齢者の方を「見守る」ことを約束する契約です。見守るとは具体的になにを見守っているのか。それは判断能力が衰えていないか、自身で事務手続きや支払いなどをしっかり行える状態なのかを見守るのです。
令和2年時点での65歳以上人口に対する単身者の割合は男性は15.0%。女性は22.1%。おおまかに5、6人に1人は単身者です。判断能力の衰え、認知症の発症がなかなか自分では気が付けません。1人暮らしなので家族も気が付きません。ここを見守るのです。
ではどうやって判断能力が衰えてないか見守るのか?これは単純で定期的に電話をしたり訪問したりするのです。司法書士などの第三者に自分が第三者となにかお金がからむやりとりをしていいのか逐一チェックしてもらう。これが見守り契約の活用方法です。
高齢者の危険さ。活用方法次第で見守り契約で防止できる。
高齢者にはたくさんの防止しなければならないテーマがあります。その中の1つが「詐欺や悪徳商法に騙されないようにすること」です。
これは終活を考え始めた世代はみんなが考えなければならないことです。理由は2つ。
1つは高齢者のみなさんが持っている感覚が現代においては非常に危険なことがあること。昔は、地方では玄関の鍵も開けっ放しにしていることも多かったです。ご近所づきあいも今よりはたくさんあったでしょう。
こういう人間関係の濃さは、例えば人に親切にしたり「困った時はお互いさま」という感覚を生み出してプラスになることも多かったと思います。しかし、時代は変わりました。ニュースを見ると高齢者の自宅に強盗に入る事件もさかんに報道されるようになりました。
強盗犯はどうやって強盗に入る家の目星をつけていたのでしょうか。それは本人に聞いたのです。自宅にリフォーム業者を装って訪問し、雑談に見せかけて家族構成を聞いて若い男性が同居してないことを確認し、また預貯金額などを聞き出すのです。高齢者が昔の感覚で人と話していると犯罪者に情報を与えることになりかねません。
しかし、家族構成はともかく自分の家の財産状況が分かってしまうようなことを初めてあった人に話すでしょうか。ここに理由の2つめがあります。
それは人間心理の問題です。終活をはじめるような世代になってくると人は徐々に財産への興味が薄れ、不安感が強くなり、その不安を人との繋がりを求める傾向が出てきます。
こういう傾向が人と話をしたいという気持ちにつながり、また話を聞いてくれると嬉しくなってしまい、自制できずに知らない人に個人情報を話してしまう。自分がこういう状態にないか常にチェックする。これが見守り契約の活用方法です。
任意後見との組み合わせる
しかしこの見守り契約。じゃあそれで判断能力が衰えていたらどうするのか。ここがしっかりしてないと困りますよね。この見守り契約の活用方法。それは任意後見との組み合わせです。
任意後見は判断能力が衰えた場合に備えて、その時に財産管理をしてくれることをあらかじめ選んでおく制度です。この2つを組み合わせるのが見守り契約と任意後見の一般的な活用方法です。この見守りと認知症になった時に財産管理をお願いする人は通常は同じ人です。候補としては近しい親類や、司法書士などが挙げられます。